乳酸菌飲料といえば、腸内環境を整えるのに役立つ。そんなイメージを持つ人は多いのではないでしょうか。
それに加え、近年「香り」に着目した研究も進んでいます。〈アサヒグループジャパン〉の研究によると、乳酸菌と酵母で発酵させた発酵乳ならではの香りには、心身をリラックスさせる可能性があるというのです。
〈アサヒグループジャパン〉独自の発酵乳は、乳酸菌と酵母による二段階発酵によってつくられています。この製法によって生まれる果実のような香りは、一般的な乳酸菌発酵だけでは生まれない特徴のひとつだそう。研究者たちは、この香りがおいしさだけでなく、人の心や体にも影響を与えているのではないかと考え、研究を進めてきました。
これまでの研究では、この発酵乳の香りが自律神経に働きかけ、不安感を和らげたり、体内リズムの改善に関わったりする可能性が確認されています。
ストレスを強く感じていると判断された20名を対象に、メンタルヘルスを評価するアンケートを実施し、香りを嗅ぐ前後の心拍数の変化を調べました。すると、脱臭空気を嗅いだグループは心拍数が増加するのに対して、「乳酸菌と酵母」による発酵乳の香りを嗅いだグループは、心拍数が減少傾向になったといいます。

出典:2015年5月「日本生理心理学会大会(大阪)」発表内容より
つまり、発酵乳の香りを嗅ぐことで、自律神経活動や心理面に変化が見られ、リラックス効果を示す結果が得られました。特にストレスを感じている人ほど、その効果が大きい可能性も示されています。
香りの研究は、睡眠にも広がっています。〈アサヒグループジャパン〉は、発酵乳の香りが睡眠の質に与える影響についても研究を進めており、睡眠の質を高める可能性を確認したと報告しています。
香りは脳へ直接届く感覚のひとつ。ラベンダーやヒノキの香りでリラックスする人がいるように、発酵によって生まれる香りにも、私たちの心身を整えるヒントが隠されているのかもしれません。
発酵食品の魅力は栄養や機能性だけではありません。味わいを豊かにする香りにも、発酵の力が息づいています。
乳酸菌や酵母が生み出す香りが、私たちの気持ちをほっと和らげる――。そんな可能性を知ると、いつもの乳酸菌飲料も少し違って感じられるかもしれません。