発酵の魔法が土と食べ物、人を幸せにする。
映画〈いただきます ここは、発酵の楽園〉

posted:2020.1.31

医食同源に基づく和食給食を実践する保育園や自家製味噌の魅力を描いたドキュメンタリー映画、〈いただきます みそをつくるこどもたち〉(2016年)。その続編となる〈いただきます ここは、発酵の楽園〉が、2020年1月より公開中です。

テーマは、植物、微生物、ありがとう

2作目にあたる今回のテーマは「植物、微生物、ありがとう」。食の安心、安全が不透明になる現代。微生物と共生する持続可能なおいしい未来とは何かを、問いかける作品になっています。

本作のプロデューサー・監督であるオオタヴィンさんは人は楽園を求めて科学文明を築いてきたけれども、私たちはもう植物や微生物がつくってくれた楽園に住んでいる、と言います。人、植物、微生物は、森羅万象をかたちづくるものに過ぎず、 植物や微生物の命を貰わなければ、人は一日も生きていけない。そのことに気づく言祝ぎ(ことほぎ)の言葉こそ、いただきますなのではないかと、考えているそうです。

©イーハトーヴスタジオ

子どもたちは、小さなお百姓さん

本作は前作に続き、食と共に生きる子どもたちが描かれます。美しい里山で、園児たちが苗を植え、稲刈りを行う〈みいづ保育園〉や、微生物を活かした農法で、園児たちが野菜をつくり、その給食を食べる〈マミー保育園〉など。土と遊び、稲を植え、自然と向き合う。そして、育てた米や野菜で自分たちの食事をつくる。その姿は、まるで小さなお百姓さんのようです。

©イーハトーヴスタジオ

©イーハトーヴスタジオ

発酵の世界を知り尽くした人々に迫る

発酵の知識が深い、ファーマーや研究者たちも登場。有機農業の里、山形県高畠町の菊地良一さんや、「菌ちゃん先生」こと、オーガニック野菜農家の吉田俊道さん、「奇跡のりんご」で注目を集めた木村秋則さん。そして、大盛況のうちに幕を下ろした展覧会〈Fermentation Tourism Nippon 〜発酵から再発見する日本の旅〜 supported by カルピス®〉のキュレーターである、発酵デザイナーの小倉ヒラクさんも出演しています。発酵の世界を知り尽くした人々の口から語られる、畑や食や体の話は、現代に生きる私たちが見過ごしていた発見に満ちあふれています。

「奇跡のりんご」で注目を集めた木村秋則さん。©イーハトーヴスタジオ

映画のナレーションは、女優で3人の子どもの母である、小雪さんが担当。「私は子どもを育てるなかで〈腸内細菌を育てる食事〉を目標に毎日みそ汁を飲むことを家庭のルールにしています。農業は、自然と向かい合うことで自分の生き方や自己との深い対話となり、今の時代に最も必要なことではないかな、と思います。自然とのふれあいや、家族を健康にしていくヒントにあふれた映画です」と映画の公式サイトで語りました。

微生物たちの活動をわかりやすく伝えるため、DNA解析に基づいた最新の腸活をアニメーション化する新しい試みにも挑戦。発酵の常識が180度変わる映像で、自然と人が調和した「発酵の楽園」を、きっと身近に感じられるはずです。

発酵の魔法に触れて、土と食べ物と人間が幸せになっていく様子を体験できる映画。作品を通じて、目に見えない微生物たちの声に耳をすましてみませんか。

information

〈いただきます ここは、発酵の楽園〉

プロデューサー・監督・撮影・編集:オオタヴィン
出演:吉田俊道/木村秋則/菊地良一/日原瑞枝(みいづ保育園)/ 小倉ヒラク(発酵デザイナー)/山本太郎(長崎大学)/ 杉山修一(弘前大学)ほか ナレーション:小雪
公開時期:2020年1月24日(金)より、アップリンク吉祥寺ほか、全国順次公開

web:https://itadakimasu2.jp/
劇場予告編:https://youtu.be/Atm5jDfwSgg