発酵食品と発酵文化のすばらしさを全国に向けて発信するイベント〈全国発酵食品サミット〉が、3年ぶりに開催となります。地域産業の活性化が目的の一つであり、2008年以降、全国各地で開催されてきました。秋田県横手市では第1回を開催して以来、2度目の開催。JR横手駅からバスで約10分の〈秋田ふるさと村〉を会場に、10月21日(金)〜23日(日)の3日間、発酵にまつわるさまざまなコンテンツが企画されています。
米どころである秋田県の南部に位置する横手市では、昔からこうじを使った発酵文化が盛んです。雪深く厳しい冬を過ごすために、こうじ漬けなどの漬物をはじめ、味噌・醤油の醸造や甘酒など、こうじを活かした食文化が発展したといわれています。
そんな横手市の発酵食品がそろうマルシェが開かれます。横手市内で同じ志を持つ4軒のこうじ屋が結集してつくったオリジナルの味噌や〈みそ味チーズケーキ〉、2種類の独自の蔵付き酵母で醸した〈大納川〉の日本酒、秋田県のオリジナル麹菌を使ってつくった甘酒などが並びます。
発酵食品に加え、発酵にまつわる書籍も
また、全国各地からよりすぐりの発酵食品が集合します。北海道の伝統的発酵食品である「飯寿司(いずし)」や、千葉県の発酵の里・神崎町(こうざきまち)の老舗酒蔵がつくる酒粕を使った発酵調味料、岩手県陸前高田市で薬剤師監修の下つくられたオーガニックのチョコレート、石垣島産の島唐辛子を麹の力で熟成させたスパイスなど、個性豊かな発酵食品を購入することができます。
ちなみに多くの人に親しみ深いカルピス®も、発酵食品ということをご存じでしょうか? 「全国発酵マルシェ」には、カルピス®ブースも出店。定番のカルピス®や「りんご酢+カルピス®」の試飲をはじめ、発酵に関する展示や乳酸菌勉強会なども企画しているそうです。
秋田の特産品のひとつである「いぶりがっこ」も発酵食品です。大根を薫製にして麹や塩、ザラメなどに漬け込んだもので、横手市だけでも個人、団体合わせて100以上の生産者がいるといいます。
そこで“いぶす”という調理法について知るべく今回「いぶりエキスポ」を開催。漬け手によって味の異なる多種多様ないぶりがっこをはじめ、肉、魚、チーズ、ナッツなどの薫製食品が並びます。
なお、いぶりがっこの大根は「いぶし小屋」と呼ばれる専用の小屋でいぶしており、毎年11月から12月にかけて、いぶし小屋から煙が立ち上る光景を横手市内の各所で見ることができます。今回の〈全国発酵食品サミットinよこて〉会場内にも「いぶし小屋」を再現。大根を吊るすための編み込み作業体験もできますよ。
〈全国発酵食品サミットinよこて〉では、発酵食品を買って味わうだけでなく、発酵のメカニズムや機能性について楽しく学び、体験するコーナーやゲストや講師を招いての各種講座を用意しています。
例えば、発酵界の第一人者である小泉武夫氏による「こうじ菌のユネスコ無形文化遺産登録の経緯」に関する基調講演や、「世界の発酵食品」に関する講義、歌手でよこて発酵文化大使かつ発酵食品ソムリエの岩本公水氏による「発酵トーク&ライブ」など。
普段なかなか聞くことのできない発酵の最新情報について知るチャンスです!(これらは事前申し込み制のため、ご注意ください)
さらに、今回「いぶりエキスポ」開催記念として、小泉武夫氏による「燻製の奇跡」という特別講演もあります。こちらは事前申込不要で、先着50名限定のトークイベント。小泉氏のワクワクするお話が聞けるに違いありません。
会場では、開催地である横手にまつわる日本酒やビール、ワインなどが集結する「酒の横手フェア」の実施もあるので、お酒好きにも見逃せないイベントです。
秋田県横手市を舞台に開催される、発酵の祭典〈全国発酵食品サミットinよこて〉に、ぜひ足を運んでみませんか?
開催日:2022年10月21日(金)~10月23日(日)
会場:秋田ふるさと村
公式サイト:https://hakkou-yokote.com/