発酵インタビュー

発酵に関わる食文化や
商品開発、普及、研究を進める
発酵のプロにインタビュー。

〜わたしとカルピス®
発酵人たちに教わる、大人流カルピス®の楽しみ方

posted:2025.7.7

子どもの頃大好きだったカルピス®も、大人になってからあまり飲まなくなったという人は多いのでは。日々発酵に関わる“発酵人”たちは大人になった今、カルピス®とどのように付き合っているのか。
発酵デリカテッセン〈Kouji & ko(コウジアンドコー)〉料理長の大島今日(おおしまきょう)さんと、郷土料理家のminokamo(みのかも)こと長尾明子さんに、今だから楽しみたいカルピス®の飲み方や、カルピス®を使ったレシピを教えてもらった。

ほっと一息つきたいときに、
カルピス®をプラス!

「カルピス®の自然な甘みは飲み物にも食べ物にもアレンジしやすい」と話す大島さん。家でも簡単にできる、大島さんおすすめのカルピス®レシピを見ていこう。

大人のカルピス®レシピ①
カルピス®×コーヒー

一品目の大島さんイチオシのドリンクが、アイスコーヒーにカルピス®を混ぜた「カルピス®&コーヒー」。コーヒーの苦みとカルピス®の甘さはきっと合うはず! と試しにつくってみたところ、あまりのおいしさに1日に6杯もおかわりしてしまったそう。

「この組み合わせを思いついたのは、イタリアにあるコーヒーヨーグルトをふと思い出したからです。かつて3年ほどイタリアに滞在していたとき、スーパーでよくコーヒー味のヨーグルトを目にしました。イタリアでは大人気で、乳製品のほのかな甘みと酸味、コーヒーの苦みがよく合うんです。カルピス®の甘みもマッチするかも、と思ったら、大正解でした」(大島)

アイスコーヒーにカルピス®を注ぐと、カルピス®が沈殿するため、分かれ目がしっかりと現れる。アイスカフェオレというよりも、コーヒーを使ったカクテルのような見た目だ。

カルピス®の量はお好みだが、たっぷり入れても甘ったるさはない。さわやかな甘みのあとにコーヒーの苦みが残るので飲みやすく、大島さんが「6杯も飲んだ」というのも納得だ。

半信半疑で口にしたminokamoさんも、「これはハマりますね!」と太鼓判。
これから始まる暑い夏に、甘さと苦さが絶妙なバランスで口に広がる「カルピス®&コーヒー」を、ぜひ試してみてはどうだろう。

大人のカルピス®レシピ②
フレンチドレッシング×カルピス®

続いて、どんなサラダにも合うドレッシングとして考案したのが「フレンチドレッシング&カルピス®」。大島さんが料理長を務める〈Kouji&ko〉でも、隠し味にカルピス®を入れた甘酒ヨーグルトドレッシングが大人気なのだそう。子どもの頃から親しんでいるカルピス®だから、「どこか親しみのある味」と体が反応するのだという。

フレンチドレッシング&カルピス®は、市販のフレンチドレッシングにカルピス®を混ぜるだけでもOK。家に玉ねぎがあれば、ミキサーでペースト状にして、酢、塩、米油を混ぜれば自家製フレンチドレッシングの完成だ。そこにカルピス®を入れることで、甘みが増し、野菜や肉の旨みを引き出すドレッシングになる。

「鶏のむね肉に新鮮な野菜を添えたサラダなどにもよく合います。さらにヨーグルトを入れれば、マイルドな味わいになり子どもも食べやすいドレッシングになりますよ」(大島さん)

「さっぱりした甘さが食べやすい! 野菜嫌いな子どもも、このドレッシングをかければいくらでも食べられそうですね」(minokamoさん)

カルピス®の量を調整すれば、
どんな食事にも合う一杯に

minokamoさんがおすすめするのは、お酒のアレンジレシピ。最近カルピス®を飲まなくなったな……という大人たちにぜひ試してほしい3つのドリンクを紹介しよう。

大人のカルピス®レシピ③
黒糖焼酎×カルピス®

一つ目は「黒糖焼酎×カルピス®」の組み合わせだ。カルピス®の甘みが加わることで、まるでラム酒のような味わいに。まろやかなおいしさに、大島さんも「これはぜひ、お店で出したいですね!」と唸る。

「芋焼酎、麦焼酎、米焼酎とすべて試してみましたが、一番マッチしたのが黒糖焼酎でした。暑くなってきたら、かき氷にカルピス®と黒糖焼酎をかけて “大人のかき氷”を楽しむのもおいしそうです」(minokamoさん)

大人のカルピスレシピ④
日本酒×カルピス®

食事に合わせたいのが「日本酒×カルピス®」。食前酒や食後酒ならカルピス®を多めに、食事と一緒に楽しみたいなら少なめにして甘さを変えれば、どんな食事シーンにも合うアルコールドリンクの完成だ。

「同じ発酵食品のキムチをつまみにしたらとってもおいしそう。がっつり焼肉を食べたいときにもおすすめです」(minokamoさん)

「確かに、しっかりした味の料理を引き立ててくれそうです。ちなみに僕はカルピス®多めで、食前からごくごく飲みたい派ですね」(大島さん)

大人のカルピスレシピ⑤
スパークリングワイン×カルピス®

3つ目のアレンジは、大島さんからの提案。「スパークリングワイン」に「カルピス®」を合わせた「大人のカルピスソーダ」をその場で試してみた。

一口飲んだ大島さんは「昔からずっと知り合いだったかのような仲の良さ! こういう商品があるかのようですよ」と驚きの表情を浮かべる。

「辛口でシャキッとした味わいのスパークリングワインと合わせると、カルピス®の甘みがより引き出されますね。カルピス®ソーダのようにごくごく飲めちゃうので、飲みすぎに注意ですね(笑)」(minokamoさん)

カルピス®ドリンクやカルピス®ドレッシングのサラダを食べながら、賑やかな会話が止まらないふたり。「これに入れても合うんじゃないかな」「あれと混ぜてみたらどうだろう」とアイデアもどんどん生まれていく。

「普段から発酵食に向き合っている大島さんだからこそ、食事に合わせるという新しい組み合わせを生み出せるんですね。みんなが大好きなほっとする味だから、食べると懐かしさを感じるというカルピス®の魅力にも、改めて気づかされました」とminokamoさん。

「私は、同じ料理家ながら、自分にはないminokamoさんの着眼点が好きなんです。著書の『粉100、水50でつくる すいとん』や『つつむ料理』にあるように、身近にあるもので日常をおいしくしようという発想がとても素敵です。今日はお酒好きなminakamoさんの新たな一面も見られてうれしかった。ぜひまた一緒にカルピス®カクテルを囲みたいですね」(大島さん)

大人になって「今更カルピス®?」と思っている人にこそ、ぜひ試してほしいアレンジレシピの数々。ふたりのアイデアをヒントに自分だけのレシピを考えてみる、そんな楽しみ方もおすすめだ。

発酵デリカテッセン〈Kouji&ko〉料理長
大島今日(おおしまきょう)さん
丸の内の〈リストランテ・ヒロ チェントロ〉や、山形の〈アル・ケッチァーノ〉を経て、〈Kouji & ko〉のシェフに就任。発酵食品のイメージを変える、華やかな料理で話題を集めている。日本の発酵食品に興味を持ったのは、能登のへしこを食べたことがきっかけ。発酵学の第一人者、小泉武夫氏とも親交が深い。
郷土料理家・写真家・イラストレーター
minokamo(みのかも)さん
本名・長尾明子。岐阜県美濃加茂市出身の料理家・写真家・イラストレーター。地のものを活かしたレシピ考案のほか、郷土食の紹介・執筆も手がける。東京・世田谷区と岐阜県にある築100年以上になる祖母の家を拠点にし、食に関するさまざまな活動を展開。著書に『つつむ料理』『粉100水50でつくる、すいとん』(技術評論社)、『みそ味じゃないみそレシピ』(池田書店)、『料理旅から、ただいま』 (風土社)などがある。
発酵びと

「みんなの発酵BLEND」の記事に登場した、
発酵に関わる“発酵人”たちをご紹介。