なめらかな口当たりと程よい酸味が特徴の「クリームチーズ」。非熟成のフレッシュタイプのチーズで、シンプルな材料を使い、簡単に自宅でつくることができます。また、手づくりのものは水分量が調節でき、お好みの固さに仕上げられるので、つかい道によって自由に調節してみてください。
手を清潔に洗う、保存容器を消毒しておく、レモンを絞っておく。
鍋に牛乳、生クリーム、ヨーグルトを入れて火にかける。温度計をそえて、ゴムベラでやさしく混ぜながら40℃まで温める。
〈 ポイント 〉 ヨーグルトの乳酸菌が作用して発酵を促します。40℃は乳酸菌が一番活動しやすい温度です。
火からおろしてレモン汁を加え、ゴムベラで10秒ほどやさしく混ぜる。すぐに凝固が始まるので、鍋のまま動かさずに粗熱がとれるまで20分ほど待つ。
〈 ポイント 〉 牛乳のたんぱく質が固まったものを「カード(凝乳)」と呼びます。早く混ぜるとカードを崩してしまうので、ゆっくり混ぜましょう。
ボウルにザルを入れてその上にクロス状に2枚重ねにしたキッチンペーパーを敷き、粗熱のとれた2をやさしく注ぎ入れる。
軽くラップをして冷蔵庫で休ませる。ザルの下にはカードから分離した液体(ホエー=乳清)がたくさん出てくる。やわらかく仕上げたいときは2時間ほど、しっかりしたものがよければ半日から1日置く。
2時間ほど置いた様子(左がホエー、右がクリームチーズ)
〈 ポイント 〉 ホエーはとても栄養価が高くおいしいので、捨ててしまわずに冷やして飲んだり、お菓子づくりやカレー、シチューなどに使ったりできます。
できあがったクリームチーズを別のボウルに入れて、ゴムベラでなめらかになるように、やさしく練ったら完成。フタ付き保存容器に入れて冷蔵庫で保存する。
通常のチーズづくりでは、乳酸菌のつくる乳酸とレンネットという酵素によって乳を凝固させます。今回のレシピでは酵素を使うことなく、乳酸発酵の作用とレモン汁を加えることで、乳を凝固させます。できあがった乳のカードを保存させることで、乳酸菌がさらに働き発酵し、風味もよくなります。
解説:金内誠(宮城大学 教授)/乳酸菌の詳細についてはこちら
自家製クリームチーズは好みや用途に合わせて固さも自由自在。レアチーズケーキはやわらかめが、ベイクドチーズケーキは固めがおすすめです。トーストやクラッカーにお好みの具材と共にのせれば、朝食やちょっとしたパーティーなども彩ることができます。また、固めのクリームチーズを味噌や塩麹などに漬け込めば、お酒のアテにもぴったりです。