発酵熟成による“味変”が楽しい。
麹入り「ゆず胡椒」のつくり方

posted:2021.8.6

ゆずの爽やかな香りと唐辛子のピリッとした辛さがたまらない「ゆず胡椒」。ゆず胡椒は麹を使わなくてもつくれますが、今回は、麹を入れることで発酵を促進する力を強くし、味や香り、辛みや旨みの変化を楽しめるレシピとなっています。

材料
青ゆず・・・10個程度(皮の青い部分・・・50g、青ゆず果汁・・・大さじ1)
青唐辛子・・・100g(種やへたなどを取り除き50g)
塩(自然塩)・・・25g
米麹・・・35g
準備物
ボウル、まな板、包丁、おろし金、フードプロセッサーまたはすり鉢、保存容器、ビニール手袋

\ つくり方 /

はじめに

手を清潔に洗う。保存容器を殺菌消毒しておく。青ゆずを洗い水気をよく拭き取る。青唐辛子を洗い水気をよく拭き取る。

〈 ポイント 〉 水分が残っていると腐敗の原因になります。

おろし金で青ゆずの皮の青い部分だけをすりおろし、50g量る。

〈 ポイント 〉 皮の白い部分は苦味の原因になるのですりおろさないように注意しましょう。

皮をすりおろした後の青ゆずを横半分に切り果汁を絞ったら、大さじ1量る。

〈 ポイント 〉 残った果汁はお酒に入れたり、醤油・お酢と合わせてポン酢にしたり活用してください。

ビニール手袋を両手に装着し、青唐辛子のへたを取り縦半分に切る。種を取り除いて5ミリ幅の小口切りにして50g量る。

〈 ポイント 〉 使い終わったまな板はすぐに洗剤でこすり洗いをして乾燥させてください。時間が経つと辛みが落ちにくくなります。

、塩、米麹をフードプロセッサーに入れて、なめらかになるまで撹拌(かくはん)する。

〈 ポイント 〉 すり鉢を使う場合もなめらかになるまですりつぶしましょう。

保存容器に空気が入らないようにしっかりと詰め、冷蔵庫で保存する。

〈 ポイント 〉 つくってすぐでもパンチのきいた辛みと香りが楽しめますが、1か月ほど発酵熟成が進むとまろやかさと旨みが増していきます。

? どんな発酵 ?

加えた米麹が徐々に分解され、熟成が進むと、麹の原料である米から甘味と旨みがもたらされます。さらにこの味が、塩辛さをマイルドにする、いわゆる「塩角」をとる作用があります。甘味と旨みが増えることで、辛さもマイルドに感じられるようになります。

解説:金内誠(宮城大学 教授)/麹菌の詳細についてはこちら

\ たのしみ方 /

焼いた肉や魚にはもちろん、餃子や鍋料理などとの相性も抜群で、用途はさまざまあるゆず胡椒。ゆずサワーやレモンサワーにほんの少し入れると、辛みと香りが後を引くオリジナルサワーに早変わり。塩分補給もでき暑い夏にはピッタリです。発酵熟成による味の変化もぜひお楽しみください。

〈レシピ監修〉大島今日
1991年、宇都宮「オーベルジュ(現オトワレストラン)」にて料理の世界へ。24歳で渡伊。本場イタリアンレストランで3年間修行し、帰国後、東京丸の内「リストランテ・ヒロチェントロ」の料理長として就任。
その後、アル・ケッチァーノを経て、(株)フードアンドパートナーズへ。「Kouji & ko」のメニュー開発に携わる。発酵の旨みや香りを最大限に引き出し、おいしく、健康に配慮した料理を得意とする。