〈 ぬか床 〉

posted:2020.7.3

ぬか漬けは、冷蔵庫などの保存手段のない頃から保存食として、また素晴らしい栄養食品として日本の食卓を支えてきました。生野菜を漬け込み発酵させることで、乳酸菌やビタミン類などが増す日本のスーパーフードです。

材料
【A】 生ぬか・・・1kg
【A】 塩(自然塩)・・・130g
水(ミネラルウォーター)・・・900ml
【B】 本枯かつお節・・・10g
【B】 唐辛子・・・2本
【B】 乾燥米麹・・・30g
【C】 干し椎茸・・・10g
【C】 昆布(5cm角)・・・4枚

捨て漬け用野菜(例)
【D】人参の皮、大根の皮や葉、キャベツの外葉や芯など・・・150g程度
準備物
フタ付き保存用容器(手でかき混ぜるため、3ℓ容器がおすすめ)

\ つくり方 /

1.はじめの混ぜ方&捨て漬け(本漬けの準備)

はじめに

手を清潔に洗う、乾燥米麹をほぐしておく。

保存容器に A(生ぬか、塩)を入れ、混ぜ合わせる。

水を少しずつ入れながら、よくなじむまで混ぜる。

B(本枯かつお節、唐辛子、乾燥米麹)を入れ、混ぜる。

〈 ポイント 〉 麹を入れることで、麹から生まれる糖がぬか床の乳酸菌の餌となり発酵を推し進めます。発酵の進みが早くなり、また旨みや丸味が出てきます。ぬかの固さは、掴んだらホロッと崩れるくらい(味噌くらいの固さ)で、状態を確認しながら水を調整してください。

3 に、C(干し椎茸、昆布)と D(捨て漬け用野菜)を漬け込み、ぬか床の表面を手でしっかりと押し付け空気を抜く。容器の内側に着いたぬかは、清潔な布巾できれいに落として、蓋をする。

〈 ポイント 〉 煮干し、柑橘類の皮、山椒の実など、ぬか床の風味づけとして加えるのもおすすめ。捨て漬け用野菜は、カブや白菜でも代用できます。ぬか床の中で増えていく乳酸菌は空気を嫌うので、しっかりと空気を抜くことが大切です。

捨て漬け用野菜を入れてからは、1日に1〜2回、ぬか床を底の方からまんべんなくかき混ぜる。捨て漬け用野菜は4〜5日おきに新しい捨て漬け用野菜と入れ替えてください。入れ替えるときは、ぬかをしっかり落としてから手で野菜を絞り、野菜の汁をぬか床に戻しましょう。繰り返すこと14日間、捨て漬け用野菜を取り出し、本漬けの準備が完成。

〈 ポイント 〉 ここからはぬか床との楽しい共同生活です。あなたの毎日の愛が伝われば、素敵なぬか床に育ちます。捨て漬け用野菜の絞り汁は、乳酸菌の大切な栄養源なので忘れずに ! 干し椎茸や昆布などは入れたままで大丈夫です。漬け込んでいく段階で香りやコクがほしいときは新しいものと入れ替えてください。

2.本漬け

漬ける野菜(なす、人参、きゅうり、カブ、ミニトマトなど)を水洗いし、塩を軽くもみ込んでから、ぬか床に漬け込む。野菜がぬか床から顔を出さないように、野菜を入れたらぬかの表面を手でしっかりと押し、空気を抜く。本漬け後、半日から1日で浅漬けのできあがり。

〈 ポイント 〉 塩を軽くもみ込んでから漬けることで、漬かりが早くなります。また、日を追うごとに古漬けになっていくので、お好みの漬かり具合で取り出すようにしましょう。

? どんな発酵 ?

ぬか床の中では、植物についている乳酸菌類などが生育していきます。よい乳酸菌を生育させるために、毎日かき混ぜましょう。乳酸菌は基本的には空気を必要としない発酵をしますが、ぬかのような形状では、空気に触れるところと触れないところで、菌の生育状態や乳酸の量の不均一が発生します。そこでそれを防ぐために混ぜてあげます。混ぜることで、内部で旺盛に乳酸発酵したところと、空気が触れてあまり発酵していないところが均一になり、全体的にpHが下がります。これが独特の酸味になります。さらに手で混ぜることで、手にある常在乳酸菌であるプロピオン酸菌が、ぬか床の中でプロピオン酸を生成し、独特の香気も生成します。

解説:金内誠(宮城大学 教授)/乳酸菌の詳細についてはこちら

\ たのしみ方 /

箸休めにうれしいぬか漬け。定番の野菜に加えて、ミョウガや生姜などの香味野菜、アボカド、オクラ、長芋、ズッキーニ、ピーマンなどもおいしく仕上がります。さらに、モッツァレラチーズ、ゆで卵などの変わり種も。ぬか漬けのぬかは、洗い落としてから食べましょう。ぬか床がゆるくなってきたら、市販の「足しぬか」と「塩(天然塩)」を加えて調節してください。夏場は冷蔵庫で、冬場は常温で保存しましょう。

〈レシピ監修〉大島今日
1991年、宇都宮「オーベルジュ(現オトワレストラン)」にて料理の世界へ。24歳で渡伊。本場イタリアンレストランで3年間修行し、帰国後、東京丸の内「リストランテ・ヒロチェントロ」の料理長として就任。
その後、アル・ケッチァーノを経て、(株)フードアンドパートナーズへ。「Kouji&ko」のメニュー開発に携わる。発酵の旨みや香りを最大限に引き出し、おいしく、健康に配慮した料理を得意とする。